炭酸まんじゅうと赤飯で農上げを祝う

埼玉県は古くから小麦の産地でした。農家では「朝まんじゅう、昼うどん」という言葉が残っているほどで、産地であるとともに大量の小麦の消費地でもあります。県内では「朝まんじゅう、昼うどん」の特別授業を実施している小学校もあるようです。むかしは、ご飯炊きは大変な作業でしたから、農家に限らず、朝一度だけ炊くというのが普通でした。ですから、何かというとまんじゅうを作る埼玉の農家は、朝ごはんを炊かなかったら、昼はうどんを打って食べたのです。

昔なつかし炭酸まんじゅう

田植えや稲刈りが終わると農上げといって、赤飯を炊いたり、ぼた餅を作ったりしたことから、まんじゅうに赤飯をまぶした「いがまんじゅう」が生まれました。しかしながら、いまや農家の方も農上げは赤飯やいがまんじゅうではなく焼肉などにシフトしているようですが。

スーパーやコンビニの戦略にハマるより、こういった地域の年中行事や季節にちなんだ食べ物文化に触れたいです。赤飯やいがまんじゅうは田植えのあとの伝統的な食べ物ですから夏至の食べ物ともいえるのではないでしょうか。

うちは農家ではありませんが、農家さんに日頃の感謝を込めて、今年の夏至は小豆を煮て赤飯を炊き、残りの小豆を使って炭酸まんじゅうを作りました。炭酸まんじゅうに赤飯をまぶしていがまんじゅうにも挑戦してみます。

材料

小豆(赤飯用とあんこ用) 250g
塩(あんこ用) ひとつまみ
砂糖(あんこ用) 150g
もち米 1.5合
うるち米 1.5合
小麦粉 200g
砂糖 50g
ベーキングパウダー 5g
たまご(全卵) 1個
大さじ1
牛乳 50CC

赤飯はもち米とうるち米を半々で炊きますが、もち米だけ、3:1などお好みの配分にしてください。炊飯器使用の炊きおこわなので、ポイントだけ最後に記載しました。

作り方

  1. 小豆は軽く洗って、小豆の3倍の水を入れて強火にかける。
    小豆は水につけておく必要はありませんから、洗ってすぐに火にかけます。
    小豆を煮る
  2. 沸騰して5分くっらいグツグツしたら、茹で汁を捨てて渋抜きをする(1度だけ)。
  3. 赤飯用に使う煮汁が600cc弱ですから、800ccほど水を入れて小豆を再び沸騰するまで煮る。
  4. 沸騰したらアクを取り、中火の弱火にして20分ほど煮る。
  5. 小豆を指で潰してみて硬さを確認する。
    炊飯器で炊き込むのでここでは少し堅めでOKです。
  6. ザルにあけ煮汁と小豆を分ける。
    煮汁は赤飯に使うので捨てずに、ボールで受けて冷まします。
  7. 小豆は全体の1/3を赤飯用に残して、鍋に戻します。
  8. 再度水を入れて今度は柔らかくなるまで煮ていきます(1時間ほど)。
    煮汁が多いようならここで調整して捨てます(下のような水加減です)。
    捨てるのはもったいないという場合は、9の工程で塩と砂糖を入れてから、ぜんざい用に少量の小豆といっしょに別容器に取り分けるとよいと思います。
    あんこ用の煮小豆
  9. 塩ひとつまみと砂糖をお好みの量入れる。
    砂糖は小豆の量と同量が標準ですが、お好みで調整してください(120g~150g)。
  10. 焦がさないようにしゃもじやヘラで練っていく(中火)。
    できあがって粗熱が取れたら、乾燥しないようにラップをかけて冷まします。
    あんこのできあがり
    次は炭酸まんじゅうの生地を作ります
  11. ☆の小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーをふるいにかける。粉類をふるいにかける
  12. ボールにたまごを割り入れ泡立て器でよく混ぜ、酒を加えてさらに混ぜる。
  13. 12を小麦粉のボールに入れて手でこねる。
    こねながら牛乳を少しずつ加え、耳たぶくらいになればOK。
  14. 生地をまとめてラップをかけて30分ほど置く。その間にあんこ玉を作ります。
    生地を寝かすのは省略可ですが、私はベーキングパウダーでも少し休ませています。それにより膨らみが悪いということはありません。
  15. あんこをお好みのサイズにまるめて、乾燥しないようにラップをかけておく。
    あんこ適量を手に取り、手のひらでくるくると丸めていきます(まんじゅうの数分)。
  16. 手粉を入れて14の生地を棒状にして10~12頭分する。
  17. 生地を丸めて手で押し7~8センチの円形に伸ばす。
  18. 生地に餡を乗せ回しながらつつんでいく。

    蒸し器を温めておきます。
  19. まんじゅうをクッキングペーパーに乗せて蒸気が上がっている蒸し器に入れる。
  20. 初めは強火でしばらくして蒸気が安定したら中火にして合計で15分ほど蒸す。
  21. 赤飯ができるタイミングにまんじゅうが蒸し上がるようなら、まんじゅうに赤飯をまぶして埼玉県の郷土料理いがまんじゅうを作ってみましょう。
    できあがったものをそれぞれラップに包んで冷凍しました。
    ラップで包んで冷凍する

冷凍したまんじゅうの解凍

冷凍した場合は冷蔵庫でしばらく自然解凍してからレンジであたためると美味しく復元できます。温めすぎると硬くなるので、注意してください。冷蔵庫で一晩解凍したもので、1個30秒(500wの場合)程度です。

赤飯もいがまんじゅうも本来はささげを使うのですが、国産のささげはお値段が小豆の10倍以上しますから、普段は小豆を使うのが無難です。

炊飯器で炊く赤飯のポイント

炊飯器で赤飯を炊く場合、もち米もうるち米も研いで、すぐに炊きはじめてOKです。冷ました小豆の煮汁を入れますが、水は炊飯器の説明書に従って赤飯のメモリで加減してください。もち米とうるち米の割合によって水分量が変わります。煮汁が足りない場合は水を追加します。

水加減ができたら小豆を入れて炊き始めます。炊飯メニューに赤飯モードがない場合は、白米モードで炊きます。

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